2017.06.14
発展途上の小学生たち、
それぞれに今必要なことを
体得できるような選曲で指導していきますが、
この子はもっと自由な弾き方ができたほうがいい、とか、
表現することを知ってほしい、とか、
脱力がむずかしいので、脱力しにくい曲は避けよう、とか、
自信をもって弾いていける曲にしよう、とか、
本当にひとりずつのオーダーメイド。
これを機に、しっかりした実力がついて、あなたが大きく成長していけるように、
来年再来年の発展につながるようにと指導していきます。
でも、
中学生以上になると話はちょっと違う。
わたしは常々、小学生もしくはソナチネまでにある程度の基礎力を固め、
その後はそれを使って大きく飛躍させるという青写真を持ってレッスンしています。
それが選曲にあらわれるわけですが、
とにかく“好きな曲”“弾きたい曲”は自分で見つけること。
それがもし、今のあなたにふさわしくない場合は言いますよ。
でも、やれるかもと思う場合はどんどんやらせます。
本人の意思、健全な意欲があってこそ、ピアノの真の楽しみは存在するのです。
そうするには、そこまでの実力が備わってないとね。
だから、
将来限界が来ないように気をつけて育てていくのが私の方針です。
もちろん、コンクールに出たい・入賞したいという場合も同じ。
質の良い基礎的なことがクリアしてない限り、うまくはならないので、
ふだんから教えている内容がとにかく大事!
先生から習っていることを、いつも気をつけて練習してね♬
≪母からの贈り物⑤≫
母が折々に示してくれたおかげで私はピアノの道に進めました。
昔は今と違って、いいレッスンを選ぶ選択肢がなかったし、地方と言うだけで不利、
母の思い切りの良さがあったからこそ、やってこれたと思います。
そんな母は、のんびりおとなしい子どもで、高校卒業後は習い事をして過ごし、
働いた経験がないまま結婚、二人の娘を出産。
ところがここからがなかなかのもので、
嫁姑の折り合いが悪く、私が4歳の時にリコン覚悟で娘たちを連れて家出、
のちに父も生家を出て家族4人で暮らすことになりました。
思えばこれが大きな転機で、新しい生活が始まったからピアノを買い習わせるなど、
母の思うようにやれたのだと思います。
もし同居を続けていたら、私はピアノをやってなかっただろうなぁ。
跡取り娘として、婿養子を取れと言われてそうしていたかもしれません。
あの頃、働いたことがないのによく勇気があったねと言ったら、
「このままじゃいい人生じゃない、娘たちにも不自由させると思ったしね」
「結婚するまでぼんやり生きてたの。でもこれじゃダメと思って目が覚めた!」
・・・私の知ってる母は、いつも明るくて元気で気前がよく、
買い物症候群か⁉と思うほどほしいものは買い、楽しいことはやりたい人。
「人生は楽しまなきゃね」若いんだからおしゃれしなさい、ほしいなら買えばいい、
行きたいところに旅行して、おいしいものはいっぱい食べて、と
自分にも私たちにも言っていた人でした。