2014.01.23
俵万智さんの「ちいさな言葉」を読みました。
「サラダ記念日」で広く知られる歌人が、幼いわが子が一つ一つ言葉を覚え、使うようになるまでの小学校入学までの時間を、みずみずしい感性で書きとめている本です。
同じ年齢くらいのかわいい生徒さん達のことを思い、私も、日々成長しているところを大事に受け止めておきたいと改めて思いました。
なかでも、心に響いた箇所をご紹介します。
幼稚園で、同じクラスにダウン症の女の子がいる。初めて会ったころ、息子には、驚くことの連続だった。・・・中略・・・そのうち驚きは怒りに変わったようだ。「ほっぺ、急にひっぱられた」「いっつもわるいことするんだよ」せーなちゃんが特別な子どもだということを、どうしたら伝えられるだろうか。いや、あえて言わない方がいいのか、私の心も揺れた。
そうこうするうち、息子のほうが、自然に変わってきた。「せーなちゃんにバーカって言われたけど、でも、いいんだ」
1年たった春、息子はこんなことを言った。
「せーなちゃんは年中さんだけど、心の中は、赤ちゃんみたいなんだよ」
先生に言われたわけではなく、1年間、気になったり、腹を立てたりしながら、せーなちゃんと時を過ごしてきたからこそ、得られた答え。安易に説明したり、諭したりしないでよかったな、と思った。時間をかけて、体験を通して得られた理解は、本物だ。
一番胸が熱くなった箇所でした。
違いがあるから面白い。違いを認め合えると、皆が生きやすいですよね。
曇りがない子どもの目が、一番真実をとらえらるのかもしれません。