2014.01.05
この冬図書館から借りてきた本から御紹介します。
それぞれ内容はバラバラですが、興味深く読みました。
①死ぬときに後悔すること25(大津秀一 著)・・・1000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた本。多くの症例から、人が後悔する内容はだいたい決まっているようだ。だったらそれを前もって紹介し、元気なうちからやっておけばよいのではないか、という思いから書かれた本です。印象的だったのは、「子どもを育てなかったこと」のくだり。
「子どもなんかいなければ良かった」死出の旅路の前にそう言った人は、私の知る限りでは存在しないが、「子どもがいれば良かった」そのように言う人は少なくなかったのである。
子どもがいるために苦しむことはたくさんあると思うが、最後に「子どもがいなければ・・・」と語る人がいなかったというのは、大きななぐさめになります。
②ネコもキリンも見栄をはる(羽仁進 著)・・・長年アフリカで動物を観察してきた筆者による動物行動学。ひとくくりに生態を語られる動物にも、いろいろな行動をとるものがいて、まるで人間のようで面白く思いました。例えば、集団で行動するヌーやインパラなどの草食獣にも、年老いたわけでもないのに「個」で暮らす者がいて、別の種の群れで平然と過ごす者さえもいるようです。集団と個の間には、緊張や干渉がまるでないそうで、人間も、それぞれの生き方を自然に認め合える世の中になるといいな、と思いました。
③パパは楽しい躁うつ病(北杜夫 斎藤由佳 著)・・・歌人、斎藤茂吉の次男で、作家の筆者の名前は知っていましたが、長年躁うつ病を患っていたことはしりませんでした。
夏は異常な躁状態で、株に財産をつぎ込み、破産にまで陥ったことがあるとか。冬はうつ状態で、ほぼ一日中布団の中にいるとか、極端な変わり方に驚きました。親子で会話する中で、当時のことを振り返る形で書かれていますが、明るく、自然と付き合ってきた家族がすごいと感心しました。悲壮感どころか、ユーモアがあふれています。
自分が知らない経験をさせて、人生経験を増やしてくれるのが、本のいいところですね。