2021.11.23
中丸美絵著「オーケストラ、それは我なり」を読み終わりました。
京都大学出身で、学生オーケストラの外国人指揮者の指導を受けたことが指揮者への道に繋がっていきます。
留学経験もなく、音楽大学出でもないことで、アマチュア指揮者として、なかなか認めてもらえません。サラリーマン生活を経て、ヴァイオリンの勉強をやりなおしたりする中、努力と経験を積むことで、大阪フィルの代表指揮者になっていきます。
指揮者は華やかな憧れの仕事ですが、さすが人間の集まり、NHK大阪中央局との確執、オケ内部の混乱、分裂など様々なことがあったんですね。
それでも晩年は、チケットの完売が続く人気となり、最後の演奏会で理想の音が出せた、と息子に語ったエピソードからも、音楽に捧げたお幸せな人生だったんでしょう。
明治人の気骨、情熱は濃厚でした。面白い本でした。
評価が高かったベートーヴェンやブルックナーの演奏を聴いてみたいと思います。