2012.06.15
14日の「徹子の部屋」に、はじめて調律師さんが出演されていました。
19歳から仕事を始め、コンサートチューナーとして続けてこられた,高木裕さんです。
ホロヴィッツ来日当時のスタンウェイのピアノの音と、日本の調律技術の違いに驚き、渡米して学ばれたということでした。現在は、ホロヴィッツが愛用していたピアノのオーナーになって、ピアニストに貸し出して、演奏会に使用しているそうです。もうすぐ100年になるというピアノもいっしょに登場していました。
ホロヴィッツの思い出話の中で、彼の好みは、中音域はこもった音、高音域はブリリアントな音、低音は迫力ある音を要求していたそう。芸術的な音をつくるためには、音が合いすぎてはダメで、微妙なひずみを作っていくんだそうです。我が家がお世話になっている調律師さんも、同じことを言われていたことを思い出しました。
彼専用の楽器をメーカーは用意していて、コンサートには、ピアノも一緒に運んでいたそうです。
また、驚くことに、森英恵さん主宰の食事会で、ホロヴィッツの隣の席だった徹子さんは(なんて豪華な食事会!)、彼のトレードマークだった、くしゃくしゃのハンカチーフをねだっていただいていて、番組でみせてくれました。
彼は、ステージではヒラヒラとハンカチーフをふりながら登場して、演奏中にも何度も顔に持ってきていたそうです。・・・・実は香水が大好きで、演奏会前にハンカチーフに香水をふりかけてもちこんでいたとか。なんとも独特です(^-^)。指も、のびきって、かえって反っているくらいの指使い。天才は、演奏だけで説得力十分です。
残念ながら、音源でしか彼の音には触れたことがないのですが、ベートーベンの「悲愴」を聴いたときは、なんて人の心をつかむ演奏かとうならされました。