2019.01.08
本日は、今年初の病院での音楽ボランティアの日でした。
いつものことながら、始めは機嫌が悪くやる気のかけらも見られないクライアントさんが段々目の色に輝きが出て、最後には大きな声で歌ったり太鼓をたたくのを見て逆にこちらが元気をもらって帰ってきました。
昨年の1月4日のお稽古始めの日にに新聞で掲載されていた左手のピアニストのことをトピックスにアップしましたが、初ボランティアの本日は一昨日NHKBSで放映された「私は左手のビアニスト~希望の響き 世界初のコンクール~」についてお知らせしたいと思います。
大阪府の箕面市で行われた世界初の左手だけのコンクール。
プロフェッショナル部門、アマチュア部門、キッズ部門と左手だけでピアノ演奏をするコンクールです。
アマチュア部門の方達は、脳出血や脳腫瘍で右手が動かなくなったり、動いてもピアノの演奏は難しい方々がエントリーなさっていましたが、それはそれは感動的な魂のこもった音を奏でていました。
中に、プロのピアニストだった方で脳出血を発症し車椅子の方がいらっしゃったのですが、病後リハビリに励み今回参加に踏み切ったその方が「死ぬところだったのに、生還して人前でピアノを弾けるまでになった。病院仲間には、天国に行ってしまった人や、いまだに寝たきりの人もいる。私はこうやって大勢の人の協力を得て、今日この場にいることを感謝しています」と語っていらっしゃいました。どれだけ絶望なさって辛かったか計り知れないほどの方が笑顔でお話ししている様子に感動を通り越して胸が痛くなるほどでした。
また、プロフェッショナル部門に参加なさった方の演奏は目を瞑って聴いてると、とても片手の演奏とは思えない。信じられません。
この部門に参加なさった方のほとんどは局所性ジストニアを発症した方で、音楽家に多く手を酷使した方に見られる症状です。
要するに、真面目で音楽が大好きで稽古熱心な方が多く罹る病気です。どれだけ悔しかったか、悲しかったか・・・
皆さん今は明るく振る舞っていらっしゃいますが、流した涙はいかほどかと思います。
そして・・・
私が昨年に引き続き猛烈に反省させられたのはキッズ部門でした。半身がマヒして装具を付けてるお子さんが左手で楽しそうに演奏している。
立派に素敵な音楽になっている。
数十年前、右手が使えない女の子が左手だけでもとレッスンに来ていました。私はなんと不勉強だったのでしょう。左手だけの楽譜が存在するなんて考えてもいず、そのA子ちゃんに主旋律を弾かせ、私が伴奏を弾くというようなレッスンを繰り返していました。
明るい子で、発表会にも嬉しそうに私との連弾で参加していました。
そして、中学を卒業して遠くの支援学校の寮に入るまで私とのセッションを楽しんでくれました。
ブラームスや、リストなど有名作曲家が昔から左手だけの曲を作曲していたのに、私は本当に不勉強でした。
年の始めに深い深い感動と、大変な反省を同時に味わったテレビ番組でした。
そして、このようなコンクールが世界で初めて行われたのが日本であったことに誇りを覚えました。