885. 子守歌と守り子歌
2014.12.19
(884.に続く)「五木の子守歌」は熊本県民謡。むかし母が歌っていた「おどま かんじん かんじん」は2番の出だしで、1番は「おどま ぼんぎり ぼんぎり」と、どちらも意味の分かりにくい歌詞。どうやら「おどま」は「おいどん」と同じく一人称のようだ。「私はぼんぎりで(盆まで?)、盆から先はいないよ」とか「私は物乞い(のような人)だ」などと訳せば良いのかな?暗いメロディーに乗っかった奇妙な歌詞の正体は、五木の子守歌が単なる子守歌ではなく「守り子歌」であるから。子守歌は、子供を寝かしつけるための愛情を持った歌。一方、守り子歌は、守りを仕事としてさせられている かんじんが歌う、言わば恨み節の哀歌。かんじん(勧進)は元々仏教用語で、寄付を募る僧侶を指したが、転じて物乞いをする人。ここでは貧しい子沢山の家から 、地主などの家に 奉公に出された女の子をいうようだ。お盆には一時帰宅させて貰えたのだろう。五木の子守歌は3拍子で書かれているが、これは西九州であるため、韓国文化の影響が考えられる(韓国の民謡は圧倒的に3拍子が多い)。勧進については「韓人」説もあるそうだ。…マララさんの、遣る瀬ない表情をテレビで見て、守り子歌を思い浮かべ 日本の昔の光景と重ね合わせた次第。