672. ピアノ椅子
2014.04.22
自分の弾き慣れたピアノは勿論、ピアノ椅子も普段座り慣れた物が一番で、よそで弾く機会があると、椅子の高さが1㎝違っても、違和感を感じる(それを乗り越えるため練習を積むのだと、一昨日偉そうに書いたが)、まして昔ながらの背もたれ付きで座面が硬いものは(これが悪い訳ではない)、正直見ただけで冷や汗かきそう。・・・バッハの演奏で知られる、ピアニスト/グレン・グールドは、いつも父親手作りの折り畳み式ピアノ椅子を、持ち歩いていた。床上35㎝前後で一般的な物より10㎝ほど低く、グールドの身長は高めだが、これに座るとさすがに手首は鍵盤の下。しかも椅子は演奏の度にギコギコ音を出す。高さ調節が難しかったのか、演奏会本番前に30分もかかり、セル(指揮者)は「椅子の高さより、お前の尻を切れ」とキレたそうだ。変わっているのは椅子のみならず、ピアノ協奏曲などの演奏中、片手が空くとその手で指揮をするわ、歌うわ好きなテンポで勝手に演奏するわで、カラヤン、バーンスタインまでもキレさせた:20世紀を代表する偉大なピアニストであった。