2013.05.10
今朝のテレビで平原綾香さんが、学生時代の(音楽の)恩師を「守護神」と呼んでおられました。私は学生時代よりも、大人になりピアノ教室を始めた以降に教えて頂いていた恩師を、ひそかに「ピアノの神様」と呼ばせてもらっています。神様は小柄で(私も小柄ですが)、手もけっして大きいとは言えません。なのにベートーヴェンソナタなどの、力強く巾の広い和音を「ここはこう弾きますよ」と優しくおっしゃり「ジャーン!」と力強くかっこ良くお手本を見せてくれました…ひょっとして神様の指先は、瞬時にして伸び縮みするのでは?と思うほどです。ごく速く難度の高い装飾音も素晴らしく「完璧以上」の指の動きに魅入ったものでした。神様は音大で教えておられ、演奏活動はあまりされていないようですが、私が知る限り、日本の有名なピアニストを上回る腕前ではないかと思います(他の先生方も異口同音におっしゃっていました)。お弟子さん達の演奏会では最後に、同じ作曲家の難曲と易しい物の2曲を披露して下さいますが、シューマンの2曲目の時は「トロイメライ」を演奏され、会場内を言い表せない音色=香りや色まで付いているかような優しい空気で包みこみ、感涙を誘いました(見渡すと誰もがハンカチを握りしめています)。おそらく私には100万年かかっても、こんな音色は出せないな、と思った瞬間でした。トロイメライは、レッスン生に教えなければならない中級程度の曲ですが、神様の素晴らし過ぎる演奏を聴いた後は、教えることが恐れ多くトラウマとなっています。