2013.03.15
ピアノ上級者にとって「ハ長調」は弾きにくいことが多いです(と先日も書きましたが)・・・モーツァルトのピアノソナタは実にこのことが当てはまります。楽譜を見ると調号のないハ長調・イ短調や♯♭1つの調で全ソナタの半数以上、残りの曲も3つまでの調なので一見「簡単かな?」と思われがちですが、技巧的な面で泣かされた人は多いと思います。私もその一人~白鍵の割合が多いと、速く細かい音符は弾きにくいものです。私の兄が学生時代の話ですが:昔、大学の交響楽団で指揮していたとき、わざわざ簡単なハ長調の曲をと、モーツァルト最後の年の、作品の割にはあまり演奏されない「皇帝ティトの慈悲」(K.621)というオペラの序曲を探してきたら、弦楽器群があまりに下手くそなので「ハ長調ぐらい目隠しでも弾けるやろ!」と言ったら「ハ長調は弦楽器には難しいんや、この無知な管楽器野郎!」と反撃されたそうです(兄は元々クラリネットを担当していました)…弦楽器は♯系、特に♯2個の調が弾きやすく、吹奏楽器は♭系が楽なようです。モーツァルトは管弦楽器奏者たちが出来るだけ演奏しやすいように、交響曲をはじめ調号の少ない調で作曲し、ピアノ曲もその延長で作ったと思われます。(ただし少年時代には、♯や♭がたくさん付いた曲も試験的に書いていたようですから、調号の多い調がけっして苦手だった訳ではないと思います)