1839. 臨時記号のお話(1)
2018.12.25
半音階(半音ずつ進む音階)の上行形は臨時記号♯・下降形は♭を用い ♯音の次はすぐ隣の高音・♭音の次はすぐ隣りの低音に進むことが基本(元々♯♭の付いた音はナチュラルを用いる)。写真の楽譜は、モーツァルトピアノソナタ14-a.の幻想曲…ト音記号・ヘ音記号の横に♯♭の調号が無い物は 普通ハ長調かイ短調だが、冒頭から恐ろしい数の臨時記号♭♯に「何じゃこりゃ?」と驚かれると思う。そして先述の法則(隣りの音へ順次進む)が当てはまる音の方が少なく、多くの♭音が上行したり跳躍している。何故ならこの調性は本来♭3個の調号が付く「ハ短調」なのに 臨時記号を用いているから(14-bはハ短調の調号付き)。しかも小刻みに転調していて 本当に幻想的だ(♭音の多くは音階固有音だから自在に動くことができる)。この14番はベートーヴェンに大変影響を与えた事でも知られる名作中の名作。
「臨時記号の用い方が良く分からない」というご意見があったので、数回に分けてお話させて頂こうと思って…(^o^) 続く