2020.07.07
楽器が繊細なものである事は広く知られています。
ヴァイオリンのように木で作られ、しかも構造が単純な楽器は、特に湿度の変化がすぐ音に影響します。
フルートのように金属でできた楽器も、寒い所では美しい音が出ないという性質を持っています。
一見頑丈そうに見えるピアノも例外ではありません。
湿度が高い所や、1日の温度変化が激しい所に置いておくと、美しい音色、また音量も出なくなるばかりでなく、アクション(鍵盤、ハンマー)の動きも鈍くなり、演奏しにくくなります。
ピアノにとって丁度良い環境条件は、温度15°C〜25°C、湿度50%〜70% 。
冷暖房を使用する場合は使用方法にお気をつけ下さい。
急激な温度変化は響板に影響が出て、弦の張力が変化し、音程がくるいやすなったり、空気中の水蒸気で、金属部分が錆の原因になります。
雨の日は弾く時までは、窓を閉めたり、ピアノの蓋を閉めておいて下さいね。
今は新型コロナ感染予防で、生徒さんにはレッスン前に石鹸で手洗いして頂いていますし、レッスン終了毎、その度に鍵盤を拭いていますので、清潔に保てています。
ご自宅でも練習の前には、手の汗や汚れを落とす意味でも、手洗いをなさって下さいね。
清潔な手で弾くと気持ち良いですし、ピアノも喜びます。
また、日差しが当たらないように気をつけて下さいね。
(教室では湿度温度計を置いていて、今日のような雨の日は除湿機を使っています。)
ピアノの弦は1本平均90Kgもの強い力で張ってありますので、使用しない場合でも、時間が経つにしたがって弦は次第に伸びていきます。
するとわずかづつですが、音程も変わっていきます。
正しい音でピアノを弾く為には、少なくとも1年に1度は調律が必要です。
たとえ全く弾かれない場合でも、長い時調律しないでいると、音程が下がるだけで無く、音が荒れてくる事が有りますので、定期的に調律されることをお勧めします。
調律はピアノの全体的な状態を技術者に診断してもらえます。
いわば健康診断みたいなものです。
ピアノは生きています。