ブルグミュラー作曲の練習曲の中の1曲です。原題は「Harmonie des anges 」。「天使の声」と訳している出版社も有りますが、「調べ」の方が私はピタッときます。この曲をご自分で選曲し、練習に励んでいる生徒さんがいらっしゃいます。
全体が三連符でアルペジオ(分散和音)で作られています。1小節めにarmoniosoと楽語が記載されています。「良い調和を持って」あるいは「和声的に」という意味です。ですから美しい響きを心がけて奏するという事が大切です。アルペジオは左手から右手、右手から左手へと移行していく時に注意する事があります。自然なつながりです。スラーがかかっていますので、尚更です。
低い音から高い音に移行していくさまは、天上からの天使に導かれているようです。最後の3小節はPiu lentoに速度が変わります。「祈り」「黙想」などをイメージしています。彫刻や絵画で天使が竪琴を奏でているのをご覧になった事がありますか。私が初めてこの曲を弾いた時から、心が落ち着くような、純化されるような、とても美しい曲だと思っています。生徒さんが練習されながら、味わい楽しまれますように。