2015.02.20
私が幼いころの口癖
小さな黒くて薄い円盤
くるくる回る台の上に置いて、
ソーッとアームを下すと、
軽やかな音が聞こえてくる。
とても楽しくてウキウキしてくる。
口笛を吹きながら誰かが歩いてくる。
とても楽しそうに野原の道を歩いている。
最後はいつも、たくさんの犬が追いかけてくる。
『口笛吹と犬』
と言う曲名を知ったのはもっと大きくなってから。
レコードからは音しか流れてこないけど、
私にはなぜかその光景が浮かんでいた。
初めて好きになった音楽。
今なら、流しっぱなしにできるのでしょうけど。
当時のレコードの収録時間はとっても短い。
3分毎に催促する私の願いを、
文句も言わず(言ってたのかも…)叶えてくれた両親。
随分めんどくさくって、イライラしただろうな~~~
そして、叔父の家にあった蓄音機。
そこには大きいレコードがあって、それをかけると
大きな箱から、素晴らしい音楽が流れてきた。
それがベートーヴェンの交響曲たちだった。
私のお気に入りは、『運命』『田園』『合唱付き』
それぞれ1曲が、2枚のレコード盤の裏表に入っていたように思う。
音楽が盛り上がったところで裏返す。
私の頭の中では、ちゃんとつながって聞こえてくる。
音楽家の家系でもなんでもなかったけれど、
音楽の好きなおじさん
いつもラジオと一緒に歌っていた母
わからないままでも応援してくれた父、
そんなみんなに温かく見守られて、
音楽が大好きで、どっぷり浸かっている
今の私が居るんだろうな。