2022.02.10
私が赤ん坊だった頃、
母はご自慢のソプラノをご近所中に響かせて、
大作曲家モーツァルト(本当はフリース作曲)、 シューベルト、ブラームスの子守歌を日替わりで歌ってくれたといいます。
何てのどかな時代だったのでしょう。今なら「うるさい」と怒られますよね。
いつからなのかな?
赤ちゃんの元気な泣き声やお母さんが歌う優しい子守歌が騒音と同じようになってしまったのは・・・
ブラームスの子守歌には、この歌曲の他に作曲者自身が「私の苦悩の子守歌たち」と呼んだピアノ作品《三つのインテルメッツォop117 》があります。
第1曲の冒頭には、詩が添えられています。
「安らかに眠れ、わが子、眠れ安らかに、美しく!
私はおまえの泣くのを見るのがたまらない・・・」
民謡風のシンプルなメロディーが心地よく、静謐な美しさに引き込まれます。
生に悩み、苦悩する人間を癒し甘い眠りへと誘う、
こちらは、大人のための子守歌と云えそうです。
大好きな作品、推し!