2022.02.03
1853年、9月
ブラームスが初めてシューマンとクララ夫妻を訪ねた時、彼はまだ20才の無名の若者だった。
ピアノに向かい自作のソナタを弾き、その才能で二人を驚かせ、魅了した。
二人の絶賛を受け、ここからブラームスの音楽家としてのキャリア、そしてクララとの生涯に渡る友情がはじまった。
当時のブラームスはすらりと痩せていて、亜麻色の髪がふさふさと肩にかかり、 青い目が生き生き輝く美しい青年だった。
クララはその日の日記に「彼こそは神から直接遣わされた人である」と記している。
このスケッチはシューマンが画家に描かせ
所持していたものだが、
教室ではあまり知られていなくて、皆ブラームスといえば髭をたくわえた眼光鋭い晩年の写真を思い浮かべるようだ。
「ブラームスはずっとお爺さんのイメージしかなかった。こんな若い姿、想像できなかった。」と大笑いする生徒もいるくらいだ。
後年ブラームスは突然ヒゲをはやし周囲を驚かせたそうだが、
クララは美しさが損なわれると、とても残念がったと云う。
「わかるわ~」